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研修管理システムのメリットは?機能・活用方法・選定ポイントを解説!

研修管理システムのメリットは?機能・活用方法・選定ポイントを解説!

社員一人ひとりの能力や価値を最大限引き出すための、リスキリングや人的資本経営が推進されています。今後、研修を通じた人材育成の重要性は、ますます高まっていくでしょう。そこで、研修管理業務の効率化と質の向上を同時に実現するツールとして注目されているのが「研修管理システム」です。

本記事では、研修管理システムの基本概要から主な機能、導入によるメリット・デメリットについて解説します。そして、自社に合ったシステムを選定する際のポイントなど、実務に役立つ情報も詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.研修管理システム(LMS)の概要
  2. 2.研修管理システムでできる主な機能
  3. 3.研修管理システムのメリット
  4. 4.研修管理システム導入のデメリット
  5. 5.研修管理システム選定のポイント
  6. 6.まとめ

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研修管理システム(LMS)の概要

研修管理システムは、従来の紙やエクセルベースの研修運営を抜本的に変革するITシステムとして、今や企業研修の標準インフラとなりつつあります。以下では、研修管理システムとは何か、基本的なことから導入が進む背景、従来型管理との違いまでを解説します。

研修管理システム(LMS:Learning Management System)とは

研修管理システムとは、企業や教育機関が研修や学習活動を効率的かつ効果的に運営・管理するための研修管理ツールです。主に、eラーニングをはじめとするオンライン研修で使用されることが多く、研修内容や受講者の進捗など、さまざまな情報をまとめて管理できます。

また、研修管理システムとして、学習管理システム(LMS:Learning Management System)を使用することが一般的です。そのため、研修管理システムとLMSは同義語として扱われることが多いです。

研修管理システムは、動画やスライド、PDF、クイズなど、多様な学習形式に対応しており、受講者のレベルや研修内容に合わせて最適な方法での研修を可能にします。研修に関わる幅広い部分を効率化できることから、研修運営の省力化や教育の質の向上にも大きく貢献。その結果、現代の研修では必須といえるほど利便性の高いツールとなっています。

社内研修のLMS導入が進む背景

研修管理システムを社内研修に導入する企業が増加している背景には、社会やビジネス環境の大きな変化が関係しています。人材育成の重要性は以前よりも大幅に高まっている一方で、手動管理によって研修担当者の負担が増大しているなど、多くの企業が研修管理において課題を抱えています。

そこで、研修に関する時間や手間を削減し、担当者が人材育成のコア業務に注力できるように、研修管理システムの導入を進める企業が増えているのです。また、リモートワークや多拠点展開が進んだことで、従来の集合研修では、全社員への均一な教育や学習管理が困難となったことも研修管理システムの導入を後押ししています。

下記の記事では、実際に研修管理システムとしてLMSを導入している企業や導入後の効果について解説しています。研修管理システムがどういうものなのか、より具体的にイメージできるようになるので、併せて確認してください。

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従来の研修管理との違い

従来の研修管理とは、エクセルシートや紙媒体を使って、研修のスケジュールや参加者の出欠、提出物の有無などを管理することを指します。この方法は、エクセルシートを使うことから、一見するとデジタル化も行っているように見えます。しかし、実際には手作業が多く、分散した情報の管理や更新には多くの時間と手間がかかっています。

さらに、受講状況や結果の集計・分析を手動で行うのは難しく、研修の効果測定や改善につなげることが困難です。多様な情報を扱うためヒューマンエラーが起きやすい、リアルタイムでは状況把握ができないなどの課題に悩まされる企業も多いです。

一方、研修管理システムは、教材の配信から受講管理、成績評価、アンケート回収、進捗・成果の可視化までの一連のフローを自動化・一元化できます。これまで手作業で行っていたフローを省略し、必要な分析結果を簡単に得られるため、担当者の業務負担が大幅に軽減されます。

研修管理システムでできる主な機能

研修管理システムは、幅広い用途で活用できる多機能なプラットフォームです。単なる教材配信にとどまらず、研修運営のあらゆる業務を効率化・高度化するなど、さまざまな機能が搭載されています。以下では、研修管理システムでできる代表的な機能を解説します。

受講者・研修コースの一元管理

研修管理システムの基本機能であり、大きな強みとなっているのが、受講者の情報や研修コース、教材、学習履歴などを一括管理できることです。誰がどの研修にいつ参加したかという研修履歴を、1つのシステム内に記録します。さらに、個人のスキルレベルや所属部署といった人材情報をシステム内に集約させることで、担当業務の最適化や人事評価に活用する企業も増えています。

また、複数の研修を1つのシステムで管理でき、全社的な研修から役職別研修、階層別研修まで、幅広い研修を効率的に運用できます。研修ごとに情報の収集・保管といった作業がなくなるため、紙媒体による情報・書類整理などの雑務もなくなります。

研修状況の自動記録

研修管理システムでは、受講進捗やテスト結果、出欠状況、課題提出状況など、研修に関するデータを自動で記録・集計します。受講者一人ひとりに対して、教材をどこまで視聴したかなど、細かなデータまで記録します。そして、記録したデータはリアルタイムでグラフなどで見える化されるため、管理者・担当者はダッシュボード機能などを使って、一目で学習状況を把握できます。

さらに、オンライン研修の場合、ビデオ会議ツールと連携させることで、受講者の入退室履歴を取得することも可能です。この機能を使うことで、会議序盤の出席確認などを行う必要がなくなり、会議時間の短縮化につながるといったメリットもあります。

また、進捗が遅れている受講者へリマインドメールを送るといった、フォローアップ作業も自動化できます。研修に関わる幅広い作業の自動化により、管理業務の効率化と人的ミスの削減を実現します。

動画・資料の配信

研修管理システムには、研修に使用するさまざまな形式の教材を配信する機能が備わっています。オンデマンド型の動画教材やPDF資料の配信に加え、ライブ配信型研修やウェビナーの開催も研修管理システムで行えます。

さらに、研修・教材ごとに、理解度テストやアンケートを実施したり、コース単位で進捗管理やテストの合格基準を設定したりすることも可能です。研修管理システム内で研修の全ての工程が完結するため、研修担当者だけでなく受講者の学習負担軽減にも貢献します。

研修管理システムのメリット

研修管理システムの導入は、業務効率化やコスト削減だけでなく、人材育成や経営戦略にも直結します。以下では、研修管理システムの主なメリットを解説していくので、導入するとどのようなことが可能になるのかを確認していきましょう。

人的ミスの削減

手作業による研修管理では、データの入力ミスや集計漏れ、情報の転記ミスといった人的ミスが発生するリスクを避けられません。特に、多くの社員の研修状況を個別に管理したり、複数の研修を並行して管理したりする場合、人的ミスのリスクは高まります。

研修管理システムを導入すると、研修への申し込みや出欠管理などの作業は、全て自動化されるため、担当者が手作業で行う業務はなくなります。その結果、人的ミスが起こるリスクを大幅に削減でき、正確なデータに基づいた研修管理や研修計画の立案、効果測定の精度向上などを通して、研修の質向上を実現します。

受講状況・学習成果の「見える化」

研修管理システムでは、受講者の学習状況を全てシステム内で管理し、リアルタイムでデータを更新します。そのため、研修担当者や管理者は、受講者一人ひとりの学習状況をシステム画面で見ることができ、一目で学習状況を確認できます。

また、個人単位だけでなく、部署やチームごとに表示させることで、さまざまな単位での学習状況や成果の傾向も把握可能です。この学習状況の「見える化」により、理解度が低い社員・チームへのフォローアップが迅速に行えるようになります。

さらに、受講者自身も自分の進捗状況や成績を確認できます。自分の達成度を客観的に確認することで学習へのモチベーションとなり、自主的なスキルアップにつながる可能性もあります。

データに基づく研修改善ができる

あらゆるシーンに対応するための多様な社内研修は、社員一人ひとりのスキルアップには欠かせません。その一方、実際に研修がもたらした効果を正確に把握するのは難しいです。特に、従来のような手作業の研修管理では、細かな分析まで手が回らず、研修が形骸化し、費用対効果が低くなっている可能性もあります。

研修管理システムには、受講者のテスト結果などを集約・分析する機能が備わっており、手作業では困難だった詳細な研修効果の分析を簡単にします。研修後のテスト結果から社員全体の得意・不得意分野を特定することなどによって研修内容の見直し・改善が可能になり、より質の高い研修を行えるようになります。

手間・コストの削減

研修管理システムの導入によって大きく変わるのが、研修担当者の手間や研修コストです。研修管理システムでは、手間のかかる事務作業をほぼ自動化できるため、1研修あたりの手間や時間を大幅に削減できます。その結果、研修準備などの作業にかかる時間を、新しい研修内容・計画の立案や個別フォローなど、より人材育成のコア業務に充てられるようになります。

また、研修管理システムを使ってオンライン研修を開催すれば、紙の資料を印刷する必要や、会場を借りる必要がなくなるためコスト削減にもつながります。システムの導入費用はかかりますが、長期的に見ると従来方式の研修管理よりも安く人材育成を行えます。

下記の記事では、研修管理システムとしてLMSを活用するメリットを、まとめて解説しています。本記事では触れられなかったことも解説しているので、併せて活用してください。

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研修管理システム導入のデメリット

研修管理システムは多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

  • システムの初期導入コストや運用コストが発生する
  • 既存の人事システムや業務フローとの連携が難しい
  • 自社独自の研修要件に合わない
  • 使いこなすには一定デジタルスキルが必要

デメリットの中でも、特に深刻なのが会社独自のシステムとの連携が難しいことです。業務のDX化が進んでいなかったり、専用システムを使っていたりすると、研修管理システムでは対応できず、専用のカスタマイズが必要になることで導入・運用費用も割高になることがあります。

また、担当者や受講者のデジタルスキルに依存するため、ソフトウェアに慣れていない方が多いと、研修管理システムを使いこなせず十分な効果を発揮できません。ただ導入するだけでは研修管理システムは効果を十分に発揮しないため、導入するシステムの選定が非常に重要です。

研修管理システム選定のポイント

LMSの選定は、単に機能の多さや価格だけでなく、自社の研修目的や運用体制に合ったものを選ぶことが重要です。以下では、多くのシステムの中から最適なものを選ぶために、特に重視すべきポイントを解説します。

必要な機能を絞る

研修管理システムには、あらゆる場面で効果的に働くよう、さまざまな機能が搭載されています。しかし、搭載されている全ての機能が、自社の研修管理に必要とは限りません。そこで、まずは自社の研修規模や実施内容・頻度、現状の課題などを洗い出し、「必須機能」「あれば便利な機能」「不要な機能」を明確にしましょう。

また、自社の業務フローや導入済みの独自システムに対応できるかも確認が必要です。必要性の高い機能を絞り、過剰な機能を避けることで、扱いやすくかつ予算に見合ったシステムを選びましょう。

下記の記事では、研修管理システムとしてLMSを導入する場合の費用について解説しています。限られた予算内で収める際に参考になる情報が網羅されているので、ぜひ参考にしてください。

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サポート体制を比較する

研修管理システムは社内研修の核となるシステムのため、予期せぬトラブルが起こると、全社員が研修を受けられなくなります。そこで、安定した研修環境を構築するためには、研修管理システムのサポート体制が重要です。

問い合わせ窓口の有無や対応時間、トラブル対応にかかる時間などを比較して、迅速にトラブルを解決できるシステムを選ぶようにしましょう。また、初めて研修管理システムを導入する場合、初期設定や操作方法などで困ることが多いです。そのため、導入時のトレーニングやサポートを実施しているかを比較すると、より安心して使えるシステムを選ぶことができます。

セキュリティ機能を重視する

研修管理システムは、社員の氏名・所属・成績・受講履歴といった個人情報や、研修コンテンツ・評価データなどの機密情報を扱います。情報が漏洩した場合、個人への影響はもちろん、企業の信用失墜や多額の賠償金発生につながる恐れがあります。

そのため、アクセス管理や権限設定、データの暗号化、不正アクセス防止策、バックアップ体制など、システムの安全性やセキュリティ機能を重視して選ぶことも大切です。また、会社のネットワークにセキュリティ上の脆弱性がある場合もあるので、研修管理システムの導入と同時に、会社全体のセキュリティを見直すのもおすすめです。

まとめ

研修管理システムは、eラーニングをはじめとするオンライン研修の運営を効率化するシステムです。従来の研修管理よりも、人的ミスやコストを削減し、データに基づく研修改善、人材育成の高度化を実現できるため、質の高い人材育成を行うには必須といえる存在になっています。

一方で、導入や運用にコストがかかる、システム利用のためのトレーニングが必要になるなどの注意点もあります。そのため、導入する際は、必要な機能の見極め、サポート体制やセキュリティの確認など、長期的な視点で最適なシステムを選ぶことが重要です。

研修管理システムを活用した戦略的な人材育成を導入し、組織全体の成長と競争力強化を実現させましょう。


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